こんにちは、理屈屋の筋肉ブログ管理人の理屈屋です。(@rikutsuyamuscle)
本ブログを読んでくださっている方は、“これから筋トレを始めよう” と考えている方や初心者の方が多いと思います。
として、本記事を含むいくつかの記事では、私がトレーニングを始める前に知っておきたかった筋トレの基本の基本についてシリーズでまとめていきます。
今回のテーマは「負荷の設定について:セット数の考え方」です。
それでは行ってみましょう!
筋トレにおける最適なセット数
筋トレをするにあたって負荷の設定というのは適当になってしまいがちです。
“前回〇kgぐらいだった気がするから同じくらいで…”・“大体1セット10回くらいで…”
しかし、セット数に関してはなぜかきっちりと毎回同じ回数やっている印象を受けます。
というより、“1セットで終わらせるのも効果があるのか疑問的だし、何セットもやろうとしたら他の種目が出来なくなる” といった感じで大体2-4セットで終わらせてしまうことが多いと思います。
“10回3セット” と良く言われたりしますが、最適なセット数についてしっかり考えていきましょう。
セット数に関する過去の研究報告
セット数に関しては、 2017年にRalstonらが過去の研究を統計解析した結果(メタアナリシス*)があります。
Ralstonらのメタアナリシスでは、トレーニングの経験有無や内容(多関節種目・短関節種目)に関わらず週のセット数が多ければ多いほど効果があるということが認められました。
特に初心者の場合では、週に5回未満のセット数では5回以上に比べて筋力アップが見込めないと示唆されました。
また、2018年のRalstonらのメタアナリシスでは、同じトレーニングボリュームであった場合に 1週間におけるトレーニング頻度が筋力アップに対して明確な影響を与えていなかったと報告されました。
つまり、以上の研究結果から5回以上のセット数を組めば週に1回のトレーニングでも筋力アップは見込めるということになります。
しかし、全身を多関節種目で幅広く鍛えようとした場合、複数種目行う必要があります。
各種5セット以上行うとなると、1日では現実的に難しいです。
初心者の方は少なくとも週に2回、できれば3回に分けてトレーニングを行うことをオススメします。
言い換えると、週に2-3回の頻度でトレーニングをしているのであれば、各種3セットずつ行うというのは非常に効果的であると考えられます。
注意すべきは、セット数ではなく…
注意しなければならないのは、適当に3セット行うわけではないということです。
目的やトレーニングレベルにもよりますが、8-20回を目標に頑張ればあと数回挙げられるような重量を扱うべきであると考えられています。
例を挙げてみると分かりやすいですが、筋力アップを目指している人で腕立て伏せを何十回もできる人が10回3セット行っても効果は見込めません。
トレーニングの3原理・5原則で説明した3原理の1つ「過負荷の原理」の通り、既に発揮できる力を超えた負荷を与えなければ意味が無いからです。
かと言って、100回を目指してやれば良いのかと言われればそうでもありません。
なぜなら速筋と遅筋で説明した通り、腕立て伏せが何十回もできるレベルというのは小さな力を長く発揮し続けている状態であると言えるためです。
筋力アップというよりも持久力アップのための運動になってしまいます。
つまり、重量設定と回数設定というのもトレーニングの負荷を考える際にはとても重要になってくるということです。
↓まだ読んでないいという方は要チェックです!
まとめ ~負荷の設定について:セット数の考え方~
本記事では筋トレメニューを組み立てる上で大切なセット数の考え方について説明しました。
普段何気なく行っていることにも実は意味があります。
セット数を数回増やしたら変化が出るのかということが研究の題材になっているのは驚きですよね。
今回最後に少し触れた重量・回数設定については次回説明していきますので合わせてご覧になってください。
それでは今回はこれで失礼します。
ありがとうございました。
参考文献:
Ralston GW et al, 2017, ‘The Effect of Weekly Set Volume on Strength Gain: A Meta-Analysis.’, Sports Med. 2017 Jul 28.
Ralston GW et al, 2018, ‘Weekly Training Frequency Effects on Strength Gain: A Meta-Analysis.’, Sports Med Open. 2018 Aug 3;4(1):36.
※メタアナリシス:複数の質の高いデータを統合し分析すること。メタアナリシスによって得られたデータは最も質の高い根拠とされる。