フィットネス文化が広まり、老若男女問わずボディメイキングに関心を持つようになってきたと着実に感じる今日この頃です。
ネットには様々な情報が溢れ、YouTubeを見られる環境があればジムでのマシン・フリーウェイトトレーニングは行えるくらい簡単に筋トレを始めることが出来る時代だと思います!
しかし、それと同時に間違った理想像を抱く方や間違ったトレーニングの理解をされる方が増えてしまうのではないかという不安が出てきました。
本記事は、タイトルにあるように「プロ選手崇拝を辞めさせたい!」という想いから書いてみました。
特にこれから筋トレを始めようとしている・プロのボディビル(フィジーク、クラシックフィジーク部門を含む)競技者からトレーニングを学んでいるという方に読んでもらいたいです。
それではいってみましょう!
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一般トレーニーの理想と苦悩

筋トレを続けていると、“なぜ自分は他の人のようにうまく成果が出ないのか”という疑問を持つ時期が来ると思います。
そしてある時を境に、“個人には個人の成長率や限界に近いものがあって、簡単には他人と比べられないものだ”ということを悟ります。
自分のポテンシャルを最大限に引き出すことが出来ても、ある一定の地点にまでしかたどり着くことが出来ず、また他の人が短期間で軽々と行えたことにも長い時間がかかってしまう可能性があるということです。
トレーニング方法を見直すことで改善できる点はあるかもしれませんが、妥協しなくてはならないポイントというものもあります。
悪い言い方をすると、努力では到達できないレベルがあるのが現実だということです。
この限界に気づいて絶望してしまう・トレーニングへの情熱を失ってしまうという方も少なくありません。
例えば身長が低いこと・高いこと、骨太なこと・骨細なことなどは、どうしようもないこととは分かっていても克服できずにコンプレックスのままであることが多いです。
ボディメイキングの現実

では筋トレをしている人にとって、憧れの人というのはどんな人たちでしょうか?
モデルさんやスポーツ選手、海外のハリウッドスターなど、色々なジャンルで活躍している人たちが思いつきます。
しかし、特に近年ではフィジーク競技が人気となり、国内外で活躍されているプロのフィジーク選手やボディビル選手に憧れてトレーニングを行っているという方も少なくないでしょう。
盲目なプロ選手崇拝はやめましょう!
特にプロの選手に憧れている人というのは、若かったりトレーニングの知識がまだ浅い人たちに多い気がします。
でも勘違いしないでください!
“私たち一般トレーニーが彼らのようになり得る可能性はかなり低い” です!
ボディビルもスポーツです。
恵まれた骨格をもって生まれ、恵まれた環境で継続的に質の高いトレーニングが行える人の中でもほんの一握りの人たちがトップで活躍できる世界です。
他のスポーツ選手や有名人とは違い、YouTubeやInstagramを通じて交流でき、距離が近く感じるかもしれませんが、選手やトレーニング経験者としてははるか彼方にいると思ってください。
モデルのルックス≒ボディビル選手の骨格と筋肉
もちろん、飛びぬけた才能を持つ人はどの世界にもいるので全ての一般トレーニーがそうだとは限りません。
私たちの中にもとんでもない才能を持っていて、鍛えたら同じレベルに追いつくことが出来る人がいる可能性はあります。
※ここで言う才能とは、トレーニングの上達率が早く筋肉を早く成長させることが出来る能力のことだけでなく、生まれつき筋肉が発達しやすい・見栄えが良い骨格をしているなどの条件も指します。
しかし、考えてもみてください。
モデルや女優・俳優になれる人は生まれ持って美男美女です。
垢抜けるという表現もありますが、元のポテンシャルが始めから高いことの方が多いです。
これは遺伝子が関わることであり、生まれついた段階で決定されていることです。
選手として競技に出ていない人の中にも恵まれた体を持つ人はいますし、あなたがその遺伝子に恵まれた人物かもしれません。
しかし、その片鱗を自分で少しでも感じたことのない人にとっては認めざるを得ない事実でしょう。
自分の理想像だけを参考にするべきではない理由

ミスターオリンピア常連の”The Beast”ことRoelly Winklaar選手
以上で述べたような、限界や理想と現実に対しての理解が曖昧な方や認識が甘い方の中には盲目に彼らを追い続けてしまう人もいます。
憧れの人がいて、その人の言うようにトレーニングメニューを組み立て、その人の言うように食事・サプリメントを摂り、その人のようになれると、盲目に信じてしまう人たちです。
彼らはお気に入りの選手の出しているジムギアやサプリメントを買い、夢を見ます。
本当に効果が表れているのか疑問に思うことも無く、他にもっと自分に合ったトレーニング方法やサプリメントがあると考えたことも無く、です。
遺伝子=超えられない壁
もし、あなたがこのように“憧れの選手に近づきたい!・その人のような大きな体を手に入れたい!”と思って真似をしているのであれば、つまり単にお気に入りの選手だからという理由で楽しんで見ているだけでないのであれば、今すぐ考えを改めた方が良いです。
なぜなら、先に述べたように彼らは根本的に私たち一般トレーニーとは違うからです。
陸上の短距離走で黒人系選手が強いのと同じように、筋肥大の世界も人種や遺伝子によって上に行く人たちが決まります。
彼らはその、遺伝子を含む才能の面にしても自分に合ったトレーニング方法にいち早く出会えたという運にしても、努力では到達できない違うステージにいます。
むしろ軽々しく簡単に同じような身体になれると思ってしまうことはプロで戦っている選手にとって失礼なことだと思います。
つきまとうステロイド疑惑
そしてもう一つ、決定的な点で彼らの言うこと・行っていることを盲目に真似するべきではない理由があります。
ステロイド等のホルモン系薬物の使用有無についてです。
ボディビル競技(フィジーク・クラシックフィジーク部門をを含む)のプロの世界では、ドーピングと言われるようないわゆるステロイドの使用が当たり前のように行われています。
プロの一線から退いた元トップ選手たちが過去のステロイド使用を認めていることがその証拠です。
ユーザーが混乱を招くのか、ファンが勉強不足なのか
プロ選手のステロイド使用は大会でも関係者の間でも黙認されています。
問題なのは、ステロイド使用者(ユーザー)もそれを支持する人も正しい知識を持ち合わせていないことです。
ステロイドが筋肥大を“容易に”するだけのものと考えている人の中にはドラッグフリー(ステロイド等の薬物を使用しないこと)でも時間を掛ければ同じような結果が見られると思っている人もいます。
しかし、ステロイドはより短期間で比較的容易に筋肥大を狙えるだけでなく、通常では手に入れることが出来ないと思われるレベルの筋肉量を得ることが出来るものでもあります。
結果を求めるなら正しいモデル選びから

仮にあなたが目標としている・参考にしている方がボディビル競技のプロ選手 “のみ” であった場合・彼らが行っていることを真似すれば彼らのようになれると思ってしまっている場合、自分の想像していた結果は得られないでしょう。
なぜそうなってしまうのか、本記事を読んだらその ”なぜ” が分かったのではないでしょうか?
ドラッグフリーでの筋肥大を目指しているのであれば今すぐトレーニングの勉強をやり直して、他のトレーニーを参考にするべきです。
正しいモデル選びは、自分と同じ身長であったりスポーツ経歴が同じで筋肉のつき方が似ていたり元々痩せ型だったり筋肉質だったりと、身体の形質から見た色々な点を踏まえて行うべきです。
自分と全く同じタイプの人間を探すのは大変ですが、その過程で学べることがとても大切です。
しっかりとした効果を得るため・満足して長く続けていくためには、時間を掛けて自分に合ったトレーニング方法や身体のタイプを知っていくことが大切であり、それがトレーニングの醍醐味だと思います!
まとめ
と、色々と説教染みた感じで話を進めてきましたが、筋トレは楽しんで行うものだと思うので結局は結果にこだわりすぎなくてもいいということになると思います。
来年までに!次の夏までに!次の健康診断までに!という目標を立てるレベルでしたら良いモチベーションにもなるでしょう。
逆に初めから限界を見据えて行ったらつまらないと感じてしまう人もいるかもしれません。
本記事でまとめたかった内容は、あくまでメディアに露出しているような選手を盲目に信じ込んで自分も同じようになれると信じ切ってしまっている人に対してのアドバイスです。
目標は目標として、モチベーションを維持するためのものとして軽く考えていくことが大事だということを忘れないでください!
それでは今回はこれで失礼します。
ありがとうございました!