ボディビルの世界最高峰の大会であるミスター・オリンピアにも若くして出場を果たしていたイギリス出身のIFBBプロであるルーク・サンドー選手。
そんな彼が2020年5月8日、亡くなった。
彼の冥福を祈り、本記事では彼の経歴やパーソナリティ、トレーニングについてまとめていきたいと思う。
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ルーク・サンドー選手のプロフィール
名前: ルーク・サンドー - Luke Sandoe 出身: イギリス 生年月日: 1989年8月3日 身長: 170cm 体重: 110-115kg コンテスト経歴 South Coast 2012 Juniors – 1位 British Finals 2012 Inters O90kg – 2位 South Coast – Mens O100kg – 1位 Welsh Grand Prix – Mens O100kg – 1位 UKBFF British Championships 2015 – 6位 UKBFF Kent Classic Championships 2015 – 2位 UKBFF British Campionships 2016 - 1位 プロカード取得 プロ戦 Arnold Classic 2017 – 8位 Arnold Classic Australia 2018 – 6位 Indy Pro 2018 – 3位 California Pro Men’s Bodybuilding 2018 – 15位 Arnold Classic 2019 - 3位 Arnold Classic Australia 2019 - 5位 Indy Pro 2019 - 4位 Tampa Pro 2019 - 2位 Mr. Olympia 2019 - 11位
ルーク・サンドー選手の経歴 ~プロになるまで~
ルーク・サンドー選手はイギリス出身のIFBBプロボディビルダーで、30歳という若さながら目覚ましい活躍を見せていた。
1989年8月3日生まれのルーク・サンドー選手はイギリスでは最もよく知られているウェイトリフター・ボディビルダー、そして30歳のセレブだった。
彼は多くの子供たちと同じように、漫画のような筋肉がモリモリのヒーローに憧れていたようだ。
かと言って幼いころからボディビルに傾倒していたわけではなく、私たちのように適度な運動をして健康体を保つ一般男子のうちの一人であった。
そんな彼は年頃になって音楽に興味を持ち始め、成人する頃にはバンドのドラマーとして生計を立てていた。
そんな生活が変わったのはルークが22歳の時、彼が語ったところによると母親がボディビル雑誌を買ってきたのが転機だったという。
彼は、筋骨隆々のボディビルダーたちを見て「キモい!」ではなく、「漫画のキャラみたいに実際になれるんだ!」と感動したそうだ。
そこからルークは筋トレに目覚め、わずか1年というキャリアでながらアマチュアの大会で勝利を収める。
その経歴から様々な企業の目に留まり、ギャスパリなどのスポンサーを得て2016年のUKBFFファイナルにてプロカードを取得した。
ルーク・サンドー選手の経歴 ~プロになってから~
プロになってからもルーク・サンドー選手は華々しい街道を突き進んでいた。
実際、他選手からだけでなくメディアからも注目されるほどの躍進を見せていた。
プロデビュー戦だった2017年のアーノルドクラシックでは8位となり、翌年である2018年のアーノルドクラシックでは6位、2019年ではミスター・オリンピア上位常連のセドリック・マクミランやローリー・ウィンクラーを抑えて2019ミスター・オリンピアや第2位のブランドン・カリーとウィリアム・ボーナックに次ぐ3位。
近い将来トップのトップを争うであろうと考えられるコントスト賞歴だ。
2019年のミスターオリンピアでは第11位と入賞は逃してしまったものの、キャリア数年で出場出来たのが彼の凄さを物語っている。
そして、2020年はアーノルドクラシックには出場せず、2021年のミスター・オリンピアに向けてトレーニングをすると語っていたそう。
ルーク・サンドー選手の筋肉とトレーニング
ルーク・サンドー選手と言えば、小さいパッケージに詰まった丸々とした大きい筋肉がとてもインパクトのある選手だ。
身長は170cm、体重は110-115kg程だそうなので、他のトッププロと比べても変わらない。
しかし、短い骨格と長い筋腹はボディビルダーらしい丸々とした筋肉を際立たせており、同じ英国出身でミスター・オリンピア212ポンドクラスを7連覇したフレックス・ルイスにも似ている。
彼は基本的なコンパウンド種目を丁寧に行っており、特にデッドリフトが好きだったらしい。
そして、そのコンパウンド種目というのはかなりの高重量であることが特徴的だ。
彼のインスタを見ると一般人である私たちからは想像もできない重量を扱っている風景を見ることが出来る。
例えば、2019年7月の時点で彼は片側約90kgのダンベルでプレスを行っている動画を上げている。
そして一言「まだロニー・コールマンみたいに強くはないわ、、」
(ロニー・コールマンとは、90年代後半から2000年代後半に活躍したボディビルダーで、ミスター・オリンピアを8連覇したライウェイベイベーの人)
そして2020年1月には片側約100kgでのダンベルプレスを成功させている。
100kgなんて両手でも持ち上げられるか…。
彼は特にデッドリフトが好きだと語っていたらしく、その重量も半端ない。
過去の投稿では300kg越えのデッドリフトを行っており、200kgを超える重量でバーベルロウもこなす。
まさにこの強度がこの筋肉を表していると言えるのではないだろうか。
ルーク・サンドー選手の訃報
そんな将来を期待されていたルーク・サンドー選手の訃報が届いた。
日本時間で2020年5月8日に各メディアが彼の死について報道した。
彼はその数日前にインスタを更新していたため、初めは多くの人がその報道を疑ったが長年のトレーニングパートナーとその恋人は彼が自宅で亡くなっていたと話した。
発見者であり、彼がボディビルを始める前から知っていたとされているベン・チョウ氏は彼の死について自殺であったというようなニュアンスでメディアに語った。
彼の死をボディビルに関わる薬物摂取によるものだと決めつけてしまうことがないようにとその詳細を話す決断をしたようだが、実際の死因は公式に発表されていない。
彼の死については多くのプロ選手がコメントを出しており、そのどれもが才能のある選手を失ったことに対する悲しみをつづるものだった。
同じイギリス出身のフレックス・ルイス選手は言葉が出てこないと語り、同じく若くしてこの世を去ったダラス・マッカーバー選手についても触れた。
日本人IFBBプロの山岸選手もギャスパリのUKツアーで彼がプロになる前に出会ったことについて触れ、その時から大きかったことや将来ステージで競い合うことを予期していたと語っている。
その他にもトッププロたちが多くのコメントを寄せており、ルーク・サンドー選手がどれだけ将来を期待されていてファンに愛されていたかが分かる。
終わりに

今回はIFBBプロ選手であるルーク・サンドー選手についてまとめてみた。
日本ではまだまだマイナーで認知度が低い海外のボディビル事情だが、世界にはここまで大きい選手がいる・漫画のような世界の選手がいると思ったらルークと同じようにワクワクしてしまう。
しかし、私たちとは別次元で生きていると思っている彼らも一人の人間であり、私たちと同じような悩みを抱えてしまうものだという恐ろしさが改めて分かった。
改めて彼の冥福を祈り、本記事を締めたいと思う。