“これから家で筋トレしよう!まずは腕立て伏せから始めよう!”

その腕立て伏せってどこの筋肉を鍛えるトレーニングか知っていますか?

本記事では自宅で出来る胸筋を鍛えるトレーニングメニューとして【腕立て伏せ】を紹介していきたいと思います。自重トレーニングの王道と言えば腕立て伏せかと思いますが、実は大胸筋をメインで鍛えるトレーニングだと知っていましたか?鍛えたい筋肉にどんな作用があってどんな時に使われるのか、しっかりと理解してからトレーニングを始めることが出来ればより効率良く成果をあげることができます。ということで、今回は胸の筋肉・腕立て伏せについてです!

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胸筋は男性らしさも女性らしさも演出する!

腕立て伏せで鍛えられる筋肉、”胸筋”とは文字通り胸にある筋肉のことで、上半身の前面において大部分を占める筋肉です。割れた腹筋・分厚い胸板は男性が憧れるマッチョの理想像ではないでしょうか?胸筋をしっかりと鍛えることで輪郭の整った男らしい胸板を手に入れることが出来ます!

また、胸を鍛えるべきなのは厚い胸板が欲しい男性だけではありません。女性にとってはバストアップ効果が期待されるので、美しいバストを保つためには欠かせない筋肉です!

“体脂肪はそこまで気にならないけど、カッコいい・綺麗な身体づくりのために家で出来ることはないかな”とお悩みの方は是非胸のトレーニングから始めてみましょう!

自宅で胸筋を鍛えるべき理由

基礎代謝・消費カロリーの向上

いわゆる“胸の筋肉”・“胸筋”といった場合に指す筋肉のことを、正確には「大胸筋」と言います。大胸筋は、骨格筋と言われる身体の表層に近く運動に用いられる筋肉としてはかなり上位に入る体積を誇ります。下半身、特に太ももなど脚の筋肉が大きいだろうというのは想像しやすいかと思いますが、単体の筋肉としてそれに次ぐほど大きいのでそれだけ力を発揮できるポテンシャルがあるということです。つまり、大胸筋を鍛えるトレーニングを行うということは運動量の高い動きをしていることとなり、消費カロリーを増やすことが出来るというわけです。

どうもランニングなどの有酸素運動が億劫で仕方ないという方も、自宅で気軽に消費カロリーをアップさせることが出来ます!

身体のアウトラインを整えることが出来る

胸を鍛えるトレーニングでは胸筋のほかにも様々な筋肉を使用します。今回紹介する腕立て伏せを例にとると、身体を支えるために背中の筋肉や腕の筋肉を使います。沈み込ませた身体を突き上げるためには胸の筋肉だけではなく肩の筋肉も使われます。全身の筋肉を連動させて動きを完結させるので、身体のアウトラインを整えることが出来るとも考えられます。ボディメイキングが主目的の方にとっては欠かせない運動と言えるのではないでしょうか?

自慢できる!それが自信になる!

知らない人に腕立て伏せが10回出来ると言われたら、皆さんはすごいと思うでしょうか?“腕立て伏せ10回なんて大したことないでしょ(苦笑)”と思われるかもしれません。しかしどうでしょう?季節は夏、薄着になる季節で海に行って上着・Tシャツを脱ぐ機会があるかもしれません。その時に引き締まった胸板・キュッと上がったバストを見て周りの人は驚きます。そしてあなたはこう言います。

“家で腕立て伏せしてるだけだよ(ニコッ)”

どうでしょう?カッコよくないですか!?(笑)

筋肉なんて魅せる機会が無ければ服に隠れてしまって意味がないと思うかもしれません。でもあれが嫌・これが嫌と自分を否定するくらいなら自分の中で自慢できるポイント・自信があるポイントを作ってみても良いと思いませんか?

“自宅で胸筋トレーニング!”で鍛える主な筋肉

大胸筋

胸にある大きな筋肉は、いわゆる“胸板”に相当する筋肉で「大胸筋」と言います。大胸筋が大きく発達するとハリウッドのアクション俳優のような分厚い胸板になります。きっと筋トレ初心者の方は、“脚にある筋肉は脚を動かすときに使うのは想像できるけど、胸にある筋肉は何のために使われているの?”と思うかもしれません。実は大胸筋は腕を動かす際に使われる筋肉で、腕を身体の前方向に動かすときに働きます。上の解剖図を見ても分かるように大胸筋は胸の様々なところから伸びていて腕の骨に集まっています。この、筋肉がついている点(起始)に向かうように腕を動かす際に大胸筋が使われます。つまり、腕を鎖骨方向(身体前面上部)・胸の中心方向(身体前面中部)・お腹方向(身体前面下部)に動かすときにそれぞれ前部・中部・後部が使われるということです。

大胸筋」は、このように腕を前方向に動かす動作である肩関節の水平内転の他、肩関節の屈曲・内転・内旋といった、腕を前にあげたり(屈曲)・横にあげた腕を下ろしたり(内転)・腕を内側に捻る(内旋)作用があります。これらの動作では肩の筋肉や腕の筋肉が同時に使われたりもします。

三角筋前部

胸を鍛える際に無視できない筋肉は、「三角筋前部」と次項で説明する「上腕三頭筋」です。三角筋は肩回りに付着する筋肉で、腕を上げる際に使われます。特に肩関節の屈曲と言われる腕を前にあげる動作では大胸筋と共に働いて相互に助け合います。このように、「関節を跨いで様々な筋肉が存在し、特定の動きに対してその筋肉たちが同様の作用を示す」時、補助的な役割を持つ筋肉のことを「協働筋」と言うこともあります。

三角筋は、肩関節を覆うように存在する筋肉なので1つの筋肉でありながら収縮する部位によって作用が異なります。「三角筋前部」は特に肩関節の水平内転・屈曲・内旋に関与しており、大胸筋の上部と協働的に使われます。

上腕三頭筋

三角筋前部と同様に、胸の筋肉を鍛える際に重要なのが「上腕三頭筋」です。上腕三頭筋は腕の後ろ側にある筋肉で、“二の腕”と言われるときに指す場合が多い部分です。(正確には二の腕とは肩から肘までの部分を指し、力こぶである上腕二頭筋も含む) 体積で言うと前面にある上腕二頭筋よりも上腕三頭筋の方が大きく、骨格筋の中では大胸筋に匹敵するほど筋肉の体積が大きい筋肉のうちの一つでもあります。

上腕三頭筋」は、肘関節の伸展や肩関節の伸展・内転、つまり肘を伸ばしたり腕を後ろに伸ばしたり上げた腕を下ろす作用があります。胸を鍛えるトレーニングにおいて共に使用されますが、三角筋の前部とは異なり直接同様の作用を示す動きは肩関節の内転しかありません。

【本題の前に】“自宅で胸筋トレーニング!”を始める前に【基礎知識】

特にカッコいい身体・美しい身体を目指す方にピッタリなのが胸を鍛えることだということが良く分かりました!あとはこれから家での胸筋トレーニングを始めるだけ!と言いたいところなのですが、筋肉やトレーニング種目選びに関して少し解説が必要だと思うポイントがあったので説明させてください!

胸筋を鍛える際の “協働筋”? “一緒に使われる筋肉”?

前項では胸筋トレーニングで鍛えることが出来る主な筋肉について説明しました。作用が同じである大胸筋と三角筋の前部は共に働き「協働筋」とも呼ばれると説明しましたが、その他にも当然使われる筋肉はあります。上腕三頭筋のように共に使用されても作用が異なる筋肉のことです。「協働筋」とは、その動き(作用)に関与する筋肉を指すものであり、トレーニングや運動の際に一緒に使われる筋肉全てではないということを覚えておいてください。

例えばこれから紹介する腕立て伏せの場合、メインで鍛えたい筋肉は大胸筋となります。腕立て伏せでは大胸筋の作用である肩関節の水平内転が行われるため、三角筋の前部も使われるでしょう。この場合、三角筋の前部は大胸筋に対して協働筋の関係にあると言えます。しかし、腕立て伏せの動作の中で、肘の屈曲・伸展のために腕の筋肉が使われたり姿勢保持のために背中の筋肉や腹筋、脚の筋肉が使われます。これらの筋肉は同時に使われ鍛えられてはいるものの「協働筋」とは表現しません。

協働筋」とは、あくまで“その動き(作用)”に対して考慮されるもので、トレーニング種目そのものに大きく影響を与える考え方ではないので知識程度に考えておくだけで大丈夫です。

筋肉の疲労と部位別の回復速度の違い

とは言ったものの、協働筋の考え方は全身を高負荷で鍛えている方にとっては大切です。なぜなら、意図せず “トレーニングのやりすぎ” に陥ってしまう可能性があるからです。

筋肉は部位ごとに回復速度の違いがあると考えられていますが、筋肉の疲労度合いについては体感では分かりづらいです。筋肉痛があればその筋肉をまたすぐ鍛えようとは思わないかもしれません。しかし一方で、なんともないと思っている筋肉も実はまだ回復しきっていないかもしれません。筋肉部位ごとの回復期間について、日本パワーリフティング協会さんの記事では20-30代男性の場合がまとめられています。ここでは大胸筋と三角筋の回復期間はおおよそ48時間と記されています。つまり胸のトレーニングを行って2日以内にまた行ってしまってはやりすぎになってしまう可能性があるということです。

重要なのは、胸のトレーニングにおける大胸筋と三角筋のような“協働筋”が関与するトレーニングを行った場合です。“今日は胸だったから明日は胸以外をやる!”となっても肩を鍛えるトレーニングをしてしまってはやりすぎになってしまうかもしれません。

先に述べたように、これはあくまで各部位を高負荷で鍛える場合に起こり得るものであって、自宅で気軽に行うようなレベルでは特別気にかけることもありません。何かのトレーニングで使われた筋肉がまた別のトレーニングで使われる可能性があるということと、何事もやりすぎには要注意ということを頭の中に入れておけばオッケーです!

それでは改めて、腕立て伏せの解説に入っていきます!

【腕立て伏せ】自宅で出来る胸筋を鍛えるトレーニング【難易度別】

難易度★★★☆☆ 腕立て伏せ

まずは基本の腕立て伏せについて紹介します!自宅で何も用意せずにできるの代表的なトレーニングの1つです。しっかり基礎を抑えて、以下で紹介する他のバリエーションにも挑戦してみましょう!

基本ということで難易度は★3つということにします!

  • STEP1
    ポジションを作る
    四つん這いの状態から脚を伸ばしてつま先だけで身体を支える。
  • STEP2
    ポジションを作る2
    腕が地面に対して90°になる位置、且つ肩幅の1.5倍ほどの間隔で手をつく。
  • STEP3
    開始姿勢をとる
    手とつま先だけで肩から足までまっすぐになる姿勢を保つ。
  • STEP4
    肘関節の屈曲・
    肘を曲げながら身体を下ろしていく。
  • STEP5
    肩関節の水平外転
    肘が身体より後方に行き、身体が地面につかない程度まで下ろしていく。
  • STEP6
    肩関節の水平内転・肘関節の伸展
    手で地面を押し返し、開始姿勢まで戻す。
  • STEP5
    反復
    STEP4-STEP6を繰り返す。
腕立て伏せのポイント

筋肉の動き(作用)を意識する!

→胸の筋肉が伸びている・縮んでいる感覚を掴むため、ゆっくりと確実に一回一回行いましょう!

同じフォームでやり通す!

→左右非対称に身体が上がっていったり、上体が丸まってしまわないようにやり抜きましょう!

腕立て伏せは、基本の基本ではあるものの細かいポイントを指摘したらキリがないほど奥が深い種目です。
”フォームが~” ”呼吸が~” ”肘の角度が~” ”回数は~”
とよく言われたりしますが、初めから全てが完璧にできるわけありません!
トレーニングにも練習は必要なので、まずはやってみて上記のSTEPをしっかりとこなすことができているか・ポイントを抑えることができるか一つ一つ確かめながら続けてみてください。

腕立て伏せも運動経験がない人にとっては強度の大きいトレーニングになり得ます。自分が自信をもってできる回数(最大反復回数)と、自分に合った目的を照らし合わせながら段階を踏んで鍛えていきましょう!
負荷の設定については別の記事でまとめてありますのでそちらも参考にしてください!

腕立て伏せの参考動画

なかやまきんに君さんの腕立て伏せ紹介動画です。これから紹介する種目についても触れています。

難易度★★★★☆ ワイドプッシュアップ

ワイドプッシュアップは特に胸に刺激を入れることが出来る腕立て伏せのバリエーションです!言い換えると、胸に力が無ければしっかりとこなすことが出来ない腕立て伏せです。ということで、難易度は★4つということにしました!

やり方はとっても簡単で、手のつく位置を肩幅の1.5倍から2倍くらいまで広げて腕立て伏せを行うだけです!手幅を広げることによって肘が自然と身体から離れていきます。すると、普通の腕立て伏せよりも胸が使われている意識を感じることが出来るというわけです。

腕立て伏せの動きではどうしても腕(上腕三頭筋)や肩(三角筋の前部)も使われます。手の位置を変えるなど、ちょっとした変化を与えるだけで筋肉の使われ方は変わるので色々試しながらやってみると楽しいと思います!

難易度★★☆☆☆ ひざつき腕立て伏せ

ひざつき腕立て伏せは、その名の通りひざを床について行う腕立て伏せで、先に紹介した腕立て伏せとやることはほぼ同じと言えるでしょう。唯一の違いは身体を支えるポイントがつま先から両ひざになるということだけです。身体がより安定するため普通の腕立て伏せよりも少し強度が低くやりやすいと思います。難易度は★2つというところです!

少し気を付けなければならないのが、”手をつく位置・身体を下ろす方向”です。
通常の腕立て伏せの場合、腕が地面に対して垂直になる位置・肩の真下のラインにきていれば身体を下ろした際に自然と肩関節が水平外転するように動きます。(言い換えると、身体を起こす際に肩関節の水平内転、つまり大胸筋が使われるような動きになります。)

しかし、ひざをついて行った場合では支点である部分が力点である手の位置に近づきます。するとどうなるかというと、以下の写真左側にあるように開始時の上体の角度が変化し、それに従って写真右側のように手の位置が身体方向へ相対的に近づきます。

この状態で身体を下ろすと、手が胸の下部・あばらのあたりにある状態となって大胸筋の上部から肩の前部分にかけて特にストレッチされます。また、その状態から元の体勢に戻ろうと地面を突き返す際には、肘の開き具合や体重の微妙な掛かり方の違いによって大胸筋の上部・三角筋の前部がより使われたり大胸筋の下部・三頭筋がより使われたりとバラバラになってしまいます。

大胸筋を万遍なく使えるように、右上部の青いラインを参考に手をほんの少しだけ前に置いてみると普通の腕立て伏せと同じような角度になるかと思います。

ひざつき腕立て伏せ(ニープッシュアップ)の参考動画

難易度★☆☆☆☆ 壁つき腕立て伏せ

壁つき腕立て伏せはひざつき腕立て伏せよりももっと強度が低く、肘への負担が格段に軽減された方法です。”そんなの簡単すぎてトレーニング効果があるわけないだろ!”と思う方もいるかもしれませんが、筋力も目的も人それぞれなので普通の腕立て伏せが出来る方は”こんなバリエーションもあるんだ~”という程度に考えてくだされば大丈夫です!

運動経験がほとんどない方や、身体が大きくひざつき腕立て伏せでも負荷が高いと感じられる方向けと言えるでしょう。筋トレ初心者の方はまず壁つき腕立て伏せから始めてみてください!難易度は★1つです!

やり方は簡単です。壁に手をついて腕立て伏せの動きを行うだけ!壁から離れた位置に立つと自然に身体が壁に倒れていくのでやりやすいですが、離れるほど負荷は大きくなり、大胸筋の上部や三角筋の前部に負荷が集中します。

目安として、腕立て伏せの手幅で胸の高さに腕を伸ばし、丁度身体が真っすぐになって手が壁につく位置に立ちます。そこから足1足分後ろに下がるくらいが丁度いいです。手のつく位置と身体の角度については次で紹介するデクラインプッシュアップと似ているのでそちらでまとめて説明します!

難易度★★★★★ デクラインプッシュアップ

デクラインプッシュアップとは、身体が「下方に傾斜して(Decline=デクライン)」いる状態で行う「腕立て伏せ(Push-Up=プッシュアップ)」のことです。つまり、身体を支える足を何かの上において上体が斜め下方向に傾いた状態で行う腕立て伏せのことです。デクラインプッシュアップでは大胸筋の上部・三角筋の前部を重点的に鍛えることが出来ます!

上の写真左のように、デクラインプッシュアップでは手の位置がやや足方向にいきます。これは、ひざつき腕立て伏せで上体が起き上がった分だけ少し前に手をついたのと同じ考え方です。つまり、上体が前に下がった分だけ少し後ろに手をつくということです。写真右を見ても分かる通り、この手の位置で上体が下ろされたところでも肘は無理なく胸の位置に収まっており、手の位置はしっかりと胸のあたりにきています。

腕立て伏せのポイント2

身体を下ろしたところで手の位置を決める!

→腕立て伏せでは身体を下ろした際に両胸を結ぶラインの延長線上に手がついていると胸をより使うことが出来ます。なので、手の位置が分からなくなった場合はうつぶせになってから手の位置を決め、そこから開始姿勢までもっていくと間違いません!

先に紹介した壁つきプッシュアップは、これを90°回転させた状態で行うイメージです。 足の高さ・壁までの距離は大体腕の長さが丁度いいと思います。手のつく位置と身体の角度はこの距離をとると自然と決まると思います。

上の写真を90°回転させると↑このようになります。壁を使って腕立て伏せをしているのと似た姿勢であることが分かります。

最後に…

本記事では ”家で筋トレ” をテーマに自宅で出来る胸筋トレーニングとして腕立て伏せについてまとめてみました。お腹や脚など身体で気になる部分はあっても腕立て伏せをするのはダイエットとして効果的です。”普通の腕立て伏せもキツくてできない!” という方でもできるように難易度別にバリエーションを紹介したので、できることからまず始めてみましょう!

また、途中でも触れた通り初めから完璧にできる必要はありません!自分の身体と相談して、無理のない動きで少しずつ始めることが何よりも大切で、そこから細かいフォームや特定の部位を意識した動き方が出来るようになればオーケーです!

シンプルで簡単だと思っていた腕立て伏せも、実は奥が深いと知ったら楽しくなりませんか?憧れの綺麗な身体を手に入れるため、コツコツと小さな努力を積み上げていきましょう!

それでは今回はこれで失礼します。

ありがとうございました!

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